南米の最後の秘境/世界遺産 ベネズエラの「チリビケテ国立公園」

チリビケテ国立公園 テプイとは?

ベネズエラのチリビケテ国立公園にはロストワールドと言われている由縁であるテプイ(別名:テーブルマウンテン)という絶壁がり、絶壁の岩に描かれた原住民の壁画はなんとも神聖でとても象徴的です。

テプイとは先住民部族ぺモンの言葉で「神々の住すみ処か」という意味です。

約20,000~12,000年前から、テプイの周りにある主に60あまりの巨大な岩石に壁画が描かれ、その数はおよそ75,000件を越えると言われています。そしてその岩絵は今なお現代文明と未接触の原住民により描かれ続けています。

壁画には、狩り、戦い、踊り、儀式、動植物、人物、手形など様々な模様が描かれています。その中でも力と豊かさの象徴としてジャガーが描かれており、ジャガーを崇拝していたことが分かります。また非常に興味深いことに、考古学者によると既に絶滅した「マストドン」というマンモスに似たゾウ類なども描かれている可能性があると言われてます。「マストドン」が絶滅した約12,000年前なので、これらの壁画は少なくとも12,000年前からのものと推定できます。

「マストドン」の壁画の画像を探しましたが、象の特徴を持った岩絵を見つけられませんでした。申し訳ないです!!



これら壁画の慣習は、宇宙、自然、人間との関係を説明し、古代より一貫して行われ続けている「神聖な信仰」を反映していると考えられています。

原住民が住んでいる手がかりはあるものの、周辺には住んでいないようです。どうやら原住民の間でもチリビケテを聖地として扱い、簡単には訪れることができず、そうすることでこの神聖な地を守っているようです。

チリビケテは聖地として人類の侵入が少なく、またテーブルマウンテンのような特殊な地理的条件は固有種や環境の保護に繫がり、独自の進化を遂げた動植物が多く生息しています。また、チリビケテ国立公園はコロンビア最大の保護区域であり、4つの生物地理学的地域(Biogeographical provinces)(オリノクィア、ガイアナ、アマゾン、北アンデス)の合流点です。それ故、チリビケテでは多くの目に留まるようなの生き物達(ジャガー、プーマ、アメリカバク、オオカワウソ、ホエザル、フンボルトウーリーモンキーなど)が生息しています。

反政府左翼ゲリラ「コロンビア革命軍」(FARC)の拠点がチリビケテ国立公園の周囲にあるとされ、動植物や遺跡について詳しい調査があまり行われていませんでした。コロンビアではこの革命軍との53年間続いた内戦で22万人以上が死亡したとされ、2016年9月にやっと同国政府との和平合意文書に署名し,内戦が終結しました。

終結を機に2017年に遺跡の調査が開始されたものの、アクセスが容易ではない為、あまり調査はされていないようです。独特な環境で固有性の高い環境のため、動植物について詳しく調査をすればかなり多くの新種の動植物が見つかると期待されています。

カナダにいる時に南米も行っとけばよかったと後悔!

シェアする

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA


コメントする

Language